メロ(マジェランアイナメ)  メロは学名『マジェランアイナメ』と呼ばれ、分類的にはスズキ目ノトテニア科に属する魚で、流通名としてメロ、銀ムツの名で大衆魚として定着しています。特徴として口が大きく、鋭い歯が並び、全身に細かいウロコがありますが、頭部にはありません。色は全身黒褐色で、小型のものはやや色が薄いです。主な産地はチリ、アルゼンチン沖の大陸棚、南極海の島域周辺の水深80〜100mに生息する、最大で215cmになる大型の魚で、50年以上の寿命を全うします。
  ノトテニア科の魚は南極海周辺海域だけに分布し、そのうちメロは最も北に生息しています。
  漁法としては底曳網、底延縄が用いられます。80年代からギンタラの代替として銀ムツの名で世に出ましたが、95年をピークに漁獲量も減少し、近年は『禁漁』と規制も厳しくなり、資源の『枯渇』とあいまって量は著しく少なくなり、『幻の魚』となる日も遠くない現状です。

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 メロは冷凍のフィレとして入荷していますが、肉は白身で脂がのり美味です。利用方法としては、煮付け、粕漬、味噌漬、照焼が好まれ、『洋食』の食材として重用され最近では寿司ダネとしての利用も試みられています。
  最初、漁獲量の半分は我が国に入荷されていましたが、当今その『旨さ』が解り、他の国々でも利用するので、『枯渇』と共に卸売価格も大変高騰していますが、人気は衰えず、大衆魚というよりは高級魚の仲間に入りつつあります。
(田ノ口邦雄)


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