代表取締役社長
大三川 八郎

社会的使命の達成に

 そのむかし大和の豪族がもっとも重要視したのは伊勢の部族であったといいます。そこに恵まれた海の幸を見過ごすことができなかったからです。古来、人間の歴史にその発展のエネルギーを与えつづけてきたのは海の幸であり、そしてまた、その生活の豊かさを保障してきたのも海の幸でした。
 当社は昭和23年3月の創立以来今日まで、みなさまの食生活の身近にあって、こうした天与の恵みとしての海の幸を豊富に供給できることを誇りとすると同時に、その社会的使命を痛感し業務の拡大発展に邁進してまいりました。その間、科学の進歩と漁業技術の向上により生産力は著しく発展してまいりましたが、その一方で、200海里定着以後の世界情勢には資源ナショナリズムの進展や市場の再編など、なかなか予測しがたいものも数多くあります。わたくしどもはこのような世界情勢に対応する新しい眼と消費の動向への明確な判断をもって、水産資源の有効利用と食生活の豊かな向上のために、なお不断の発展努力を積み重ねていく所存であります。どうか今後とも、よりいっそうの御支援、御愛顧を賜わりますようお願い申し上げます。