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シラウオ |
シロウオ |
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シラウオとシロウオはどうちがうのか/”いさざ”とは何か |
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シラウオはキュウリウオ目シラウオ科、シロウオはスズキ目ハゼ科の魚。シラウオは弱りやすいので鮮魚か冷凍で流通するが、シロウオは活魚で流通し、築地魚市場にも”いさざ”としてパック詰めのものが並ぶ。 |
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シラウオ
学名: |
Salangichthys microdon |
分類: |
キュウリウオ目シラウオ科シラウオ属 |
大きさ: |
10cmぐらいになる。 |
特徴: |
頭部は細くとがる。体高は体の半分より後ろで最も高い。背鰭の後ろに脂鰭(あぶらびれ)がある。 |
分布: |
北海道から九州北部、アムール河口から釜山。 |
生態: |
汽水湖や河口域でそれぞれ一生を過ごす。 |
産地: |
北海道、青森県、茨城県、島根県など。 |
漁法: |
船曳網 |
漁獲量: |
783トン(2000年) |
利用法: |
天ぷら、酢の物、卵とじ、椀だねなど。 |
シロウオ
学名: |
Leucopsarion petersii |
分類: |
スズキ目ハゼ科シロウオ属 |
大きさ: |
4cmぐらいになる。 |
特徴: |
頭部は丸みを帯びる。体高は体の前方で最も高い。脂鰭はない。 |
分布: |
北海道から九州、朝鮮半島 |
生態: |
沿岸域にすみ、産卵期に河川に遡上する。 |
産地: |
佐賀県、岡山県、石川県など。 |
漁法: |
四つ手網 |
漁獲量: |
統計資料なし |
利用法: |
踊り食い(生きているものを食べる)、椀だねなど。 |
シラウオとシロウオは頭部の形、脂鰭の有無、体高の最も高い場所などで区別できる。 |
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標準和名のイサザは、ハゼ科ウキゴリ属の魚で琵琶湖だけに分布している。まれに築地魚市場にも入荷し、”いさざ”の名で売られることもある。しかし、築地魚市場で”いさざ”といえば、ほとんどの場合シロウオをさす。反対にシロウオという名はあまり使われていない。
シロウオは地方で消費されるだけであったが、1970年頃活魚で輸送する方法が考案された。築地魚市場には1985年頃から入荷するようになった。初めは鮮魚の状態で入荷し、呼び名も”どろめ”であったが(ドロメもハゼ科の別の魚;高知でいう”どろめ”はマイワシの稚魚)、活魚が増えるとともに”いさざ”の名が定着した。なぜ築地魚市場でシロウオを”いさざ”と呼ぶようになったのかはっきりしないが、北陸地方ではシロウオを”いさざ”と呼んでおり、この名前が定着したものと思われる。 |
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おさかな普及センター資料館. 1999. おさかな情報 No.6.
おさかな普及センター資料館. 2002. おさかなシート No.003 シラウオ.
川那部浩哉・水野信彦(編). 1989. 日本の淡水魚. 山と渓谷社, 東京.
道津喜衛. 1980. 春を告げるハゼ−シロウオ考. 淡水魚, (6):47-50.
日本魚類学会(編). 1981. 日本産魚名大辞典. 三省堂, 東京. |
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(注:提供資料から一部アレンジ) |
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