おさかな普及センター資料館
さかなの知識あれこれ
マアジ No.027

マアジ
マアジ

Trachurus japonicus

スズキ目アジ科マアジ属

流通名 あじ、きあじ、くろあじ、まめあじ、せきあじ、ごんあじ

あじ、じんた、のどぐろ

40cmになる。

背鰭は2基ある。体は側扁(そくへん:左右から押しつぶされた形)する。臀鰭(しりびれ)の前に少し離れて2本の棘がある。稜鱗(りょうりん:ぜいご、ぜんご)は側線の全体にわたってある。綾鱗数は69〜73。側線の背側の分枝は第2背鰭起点直下で終わる。眼はやや大きい。


長崎県、島根県、茨城県、鳥取県

生態

沿岸から沖合の表層から水深100m付近を遊泳する。産卵期は西日本で1〜5月、東日本で5〜7月。約10万粒の浮遊性の卵を産む。2年で26cm、3年で30cm、4年で32cm、5年で34cmになる。動物プランクトンや小魚を食べる。


利用方法 干物、フライ、刺身、たたき、塩焼、煮付け、唐揚げ、南蛮漬け。旬は夏。

マアジには”黒あじ”と”黄あじ”と呼ばれる2型がある。”黒あじ”は沖合遊泳性で、体はやや細く黒ずむ。”黄あじ”は沿岸定着性で、体はやや太く黄色がかる。両型の間には形態的に明瞭な差がみられないため、現在、これら2型はマアジの分布による変異(違い)と考えられている。市場では、”黒あじ”より”黄あじ”の方が味が良いとされる。
 マアジ属の魚は太平洋、インド洋、大西洋の温暖海域に広く分布し、14種および亜種が知られている。マアジはニュージーランドに分布するニュージーランドマアジによく似ており、これら2種を同種とする考えもある。現在、日本に輸入されている主なマアジ類はニシマアジ(オランダ、アイルランド)、マアジ(韓国、中国)、ニュージーランドマアジ(ニュージーランド)である。

落合 明・田中 克. 1998. 新版 魚類学 (下) 改訂版. 恒星社厚生閣, 東京.
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(注・提供資料から一部アレンジ)