体の断面は丸い。胸鰭と腹鰭と同じぐらいの長さ。第1背鰭と第2背鰭の間隔は狭い。尾柄部に顕著な隆起がある。第1背鰭前部の棘(きょく)は長い。体の前部のみ鱗がある。側線は1本でなだらかに曲がり、大きく波打たない。背面は暗青色、腹面は白色。体側に黒い縞模様がある(生時は不明瞭)。第2背鰭後方に紫色斑紋がある。
カツオは世界中に分布しているので、ここでは日本近海での生態について紹介する。3月から6月にかけて餌を求めて日本の太平洋側を北上する。夏の間、東北から北海道沖ですごし、10月ごろになり水温が下がりはじめると南下する。餌はカタクチイワシやイカ、オキアミ類など。成長は1年で25cm、2年で45cm、3年で62cm、4年で75cm。寿命は12年以上。体長40cmを越すと成熟する。産卵は日本の南部からオーストラリアにわたる広い海域で行われていると考えられている。卵は1mm前後の浮遊卵で、約25時間でふ化する。
落合 明・田中 克. 1998. 新版 魚類学(下). 恒星社厚生閣, 東京. 長澤和也. 2001. ベルソーブックス009 魚貝類に寄生する生物. 成山堂書店, 東京. Collette,B.B. & C.E.Nauen. 1983. FAO species catalogue. Vol.7. Scombrids of the world. FAO Fish. Synop.,(125)2.