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ホタテガイ |
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Patinopecten yessoensis |
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二枚貝綱イタヤガイ科ホタテガイ属 |
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ほたて、ほたてがい、からほ |
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あきたがい |
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殻幅20cmになる |
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ちょうつがいに歯はなく、中央に三角形の靱帯(じんたい)が1つある。閉殻筋(貝柱)は1つ。水管はない。殻は扇形で殻頂の左右に耳状の突起がある。殻表には20本前後の放射肋(ほうしゃろく)がある。右殻は膨らみが強く白色、左殻は膨らみが弱く紫褐色。内面は白色で光沢がない。
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北海道、青森県、岩手県 |
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寒冷海域の水深10〜70mの砂泥底にすむ。右殻を下にして砂を被っている。主に植物プランクトンを食べる。雌雄異体だが、1年まではすべて雄で、2年以降半数が性転換して雌になる。まれに雌雄同体もある。産卵期は4〜6月で約1億個の浮遊卵を産む。ふ化した幼生は約35日間浮遊生活をした後、海底の石などに足糸で付着する。その後2〜3ヵ月で1〜2cmに成長し砂底で生活しはじめる。天然貝は4年で12cm、養殖貝は2年で11cmになる。寿命は10年。ヒトデなどに襲われると、殻を開閉して水を噴射し、泳いで逃げる。
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刺身、殻焼き、フライ、バター焼き、缶詰、干し貝柱、燻製 |
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貝柱周囲には三日月形をした生殖腺がある。桃色または橙色は卵巣、白は精巣。消化管である中腸が中に通っており、寄生虫と間違えることがある。
鰓にオレンジ色をした丸いものが付いていることがある。これは寄生性のカイアシ類(甲殻類ケンミジンコの仲間)の1種、ホタテエラカザリである。人には無害である。
ホタテガイを調理するとき、外套膜(がいとうまく ; ひも)などの間から、白く硬い米粒のようなものが出てくることがある。これはホタテガイの真珠で、入り込んだ異物を貝殻を作る成分で包んでできたものである。
ホタテガイは、プランクトンなどを無選択で食べているため、有害プランクトンが発生すると貝も毒化することがある。貝毒による食虫毒を防ぐため、各地の水産試験場などでは出荷前に検査をし、毒が認められれば出荷停止となる。
「ベビーホタテ」などの名称で販売されている貝柱のほとんどはホタテガイではなく、同じイタヤガイ科のアズマニシキやアメリカイタヤガイで、主に中国から輸入されたものである。
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奥谷喬司(編). 2004. 改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類. 世界文化社, 東京.
水島敏博・鳥澤 雅. 2003. 新 北のさかなたち. 北海道新聞, 札幌.
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(注・提供資料から一部アレンジ) |
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