秋サバ | 春から夏にかけて産卵を終えた真鯖は、次の産卵に備えて餌も沢山摂り、脂質の含有量も増えてきて、年間の平均では17%位、旬の時季には軽く20%を超えてきます。この時期の、マサバが一番旨い頃を「秋サバ」として昔から親しまれてきました。「秋サバは嫁に食わすな」の格言は、秋サバが旨すぎて嫁にはもったいないという姑の意地悪な言葉にも聞こえますが、脂肪が強すぎて、下痢や腹痛を起こしては大変という親切な意味に私はとりたいですね。このマサバは、ヒラサバと呼ばれている通り、断面が上下に細長い楕円形をしていて、背の部分は青緑色に「ひらがな」の「く」の字に似た、黒い波状の斑紋が走っていて、お腹は銀白色のとても速そうな形をした魚です。これに対して、夏場特に旨いゴマサバは断面が「丸」に近いのでマルサバとも呼ばれています。お腹に黒ゴマを散らした様な斑点があるのでこの名が付けられましたが、サバ節にすると濃厚でコクのあるものが取れるため、古くからおそば屋さんで「だし」として使われています。 |
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「青背の魚」の代表的な魚で、体に良い成分、DHAやEPAを沢山含んでいるので一杯食べていただきたい魚です。特に皮にはビタミンB2が多く含まれているので皮も一緒に食べましょう。バッテラ・サバずし・しめサバ等、自然に食べられますし、塩焼、味噌煮なども皮を残さず食べて下さい。
ノルウェー等からの輸入のタイセイヨウマサバは国内産のマサバに価格・栄養面で勝るとも劣らない魚です。
(宮内一郎)